Shake the Foundation
/Joe Pace presents
まずは、一言。
迷わず買ってください。マジでいいから!
これは、Colorado Mass Choir のクワイアディレクターであり、メロディメーカーでもあるJoe
Paceが手がけた
彼の名前をフィーチャーしたアルバム。
彼の名前がで〜んと表に出ているということは、ソロがメインなの?と思いがちだが、
このアルバムは、かなりクワイア度が高い。
というより、基本的にソロがいないと成り立たないという曲はほとんどなくて、
声が集まる、集中することで生まれる重厚な厚み、どこまでも高まる高揚感、美しいメロディのなかの敬虔さ、
そんな数々の、“マスクワイアで歌うということの意味”を、彼はこのアルバムで見事に伝えていると思う。
そして何より、ブルースありファンクあり、ハウスあり、ソウルあり、三拍子あり、美メロありと、
どれもこれも、名曲ばかりなのだ。
一曲めのTraditionalな「I was Glad」を皮切りに、ファンクな「Let Us Go The
House」、ハウスっぽいアレンジの「Highest
Praise」でドライブ感満点なフリーソウルになったり。さらに「Holy Spirit Move」から「Have
Your Way」に続くあたりは、
美しいメロディに、心底うっとりしてしまう!! こういうところが、ゴスペルのドラマティックな醍醐味!
そうやって思わずInto the Musicしてしまい油断していたら、
タイトルチューンの「Shake the Foundation」が頭をシェイク!
これ、なんだか懐かしいアレンジ。
デビュー当時のプリンスみたいな(笑)。ズドーン、ドキューンといったシンセの音色もすごくプリンス!!
この曲は、「困難にあったら、天に向かって、大地を揺るがすほどに祈り歌え!」という意味があるそうですが、
テイスト的にいうと、ミュージカルの挿入曲みたいな風合い。
そしてその後に続くのが、クワイアでぜひ歌いたい「Highly Exalted」!!
これを聞く限り、もう最終曲か?と思うほど、どんどん転調していきながら高みを目指す、あの独特の高揚感で
グイグイ上りつめていきます!!
と思ったら、その直後、ゴスペルならではの三連譜で、ダイナミックに歌い上げられる「Great Is The Load」やJesusへの
ラブソング「Love You So Much」が続き、はじめから最後まで美メロ、美メロのオンパレ!
やんちゃなカーク・フランクリンに比べて、優等生でクラス委員長みたいなJoe
Pace。
彼の、
しっかりゴスペルの基本、本質にのっとったうえでの、”みんなのうた”を作り上げたい、
そんな思いを凝縮させたであろうこの1枚は、
まっとうで今ぽくて、そしてやっぱりクワイアが主役。
フレッド・ハモンドがゴスペル番長なら、Joe Paceは、頼れるゴスペル生徒会長!?
Joe Paceという人は、根っからのファウンダー気質なのかなと思わせる1枚でもある。